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産学官共同研究
産学官共同研究
安全を追求した栽培方法の研究と品種改良

高ミネラルにがり大豆栽培 基礎研究から事業化へ

研究、事業化協力関係者
三重大学生物資源学部 梅崎輝尚博士、三重県北勢県民局、四日市市、全農、JA、農業生産者、ミナミ産業梶A豆時本店
栽培面積
四日市をはじめ三重県内で80ヘクタール(平成18年度)
内容
食への安心、安全の要求が高まる中、海洋資源や天然物を使い、日本の風土にあった安全な大豆栽培方法を確立し、豆腐加工に適した美味しい大豆栽培研究を行なっています。
また古来種発掘や品種改良等の研究も行い、ブランド大豆つくりと大豆の自給率向上を目指して研究を行っています。
2006年度より実用化が決定しました。
概要
【事業概要】
 日本国内では、大豆加工品の差別化を図る上で、特徴様々な国産大豆は欠かせないものになっているが、量的確保や品質のバラつきなど問題も抱えている。健康志向の高まる中、大豆に対する関心はますます強くなってきている。また消費者の食の安全に対する関心が年々高まってきており、生産者や加工業者が情報を共有化し川上と川中が連携し消費者ニーズにあった原料、製品を作る必要がある。
 大豆などのマメ科の作物は一般的に、イネ科に比べマグネシウム等のミネラルを多く必要とする。特にマグネシウムが欠乏すると葉緑素が少なくなり、光合成による栄養供給が少なくなる。これまでの実験、研究でも葉色のSPAD、収量、タンパク含有においてマイナスになる事例は確認されておらず、方法としては有効だと判断。ただ、栽培に係る諸条件によって結果が異なる為、事業化を進めながら有効性を実証していく方針。

説明会
説明会の様子

 この研究の背景には、日本国内の大豆生産事情がある。40%に満たない日本の食料自給率が問題となっているが、中でも豆腐、納豆、味噌、醤油等日本の伝統食品の原料である大豆の自給率はきわめて低く、それゆえに大半を輸入に頼っている。米からの添削で栽培にもやや増加傾向も出てきたが、収量で見ると実は年々低下するところがたくさんある。
  また、農業技術の観点で言えば国内の農業レベルを考慮すると収量においても標準以上が妥当であると思われるが、これらの現状の要因として地力の低下が問題視されることが多い。化学肥料によりN(窒素)、P(リン酸)、K(カリウム)等は畑に多く補給されるが、植物の育成にはこれら3大要素だけではなく、様々なミネラルが必要だといわれている。地域によってはN、P、Kの過多による弊害も指摘されており、ミネラル栄養のバランスも重要である。それでは様々なミネラルを豊富に含む海水を利用しよう、というのが研究のきっかけで、衰えた「地力」を「海の力」で補う発想である。

【2008年に1000トンを目標】
 地元・三重県尾鷲の深層水事業の本格化にあわせ、ミネラル豊富な深層水をベースに加工した溶液を採用、これを「葉面散布」によって圃場に供給する。
 栽培法の要である「葉面散布」は、開花後の数週間の間に、高ミネラル溶液を文字通り葉の表面に散布する方法。これによって、ミネラル分の葉からの直接吸収を促しつつ、同時に農薬の使用は可能な限り抑える。
  尿素等の葉面散布による疾害対策は技術的には確立されており今回、根から吸収させるのではなく葉から吸収させる方法を選択したのは、実施する時期の圃場の条件による。開花後のように、ある程度葉が生い茂ってから畝の間に散布するのは難しいからだ。詳細なメカニズムについては解明されていない部分もあるが、葉にダイレクトに散布してもミネラルが吸収されていくことは確認されており、これを実際に生産レベルで実施し、効果を実証していく計画である。

にがり葉面散布 四日市保々地区
にがり葉面散布 四日市保々地区

 今回の事業化における三重大学の役割は、栄養実務にみ合わせた形での技術補助と、その化学的な裏づけ。まずは農家の実務範囲内での実証ということ。
 今年は、前述の通り四日市保々地区で25ヘクタール(収量換算で約20t)程度の実証を含めたフクユタカの契約栽培を行い、事業家をスタートさせるというのが当初の計画だったが、最終的には松坂地区でも追加で25ヘクタール、合せて約80ヘクタールの栽培契約を確保。
 今年は葉面散布法のみを採用したが、前述の通り土壌処理法も視野に今後、栽培方法を改良していく。2007年度からは更なる拡大を目指し、これら取組みを消費者にもPRし、ブランド化も図っていく方針で、農法の名匠や統一ロゴマーク等も作成中。
 またトレーサビリティの担保については潟Cーラボ・エクスペリエンスの協力も得つつ、「フィールドサーバー」を中核とした大豆畑の圃場計測データ収集システムの導入について協議中。また生産された大豆を原料に、新工場の超微粒化技術を使った大豆パウダーの用途開発も行っていく。

 これまではバラバラだった生産者や商社、加工業者など大豆製品にかかわる業者が、大学や行政等との産官学連携を行い、それぞれが保有する資源を補完しながら問題点等の様々な情報を共有化し、安全で高品質なブランドアイデンティティを構築できる原料、加工品作りまで落とし込むことが最終目的であり、これらの取組みを消費者にもPRし、国産大豆の需要拡大及び日本の伝統産業である大豆加工品の需要拡大を目指す。

 今後の事業計画は、本年度の事業家を足がかりに、2007年度からは中部地区を中心とした豆腐、豆乳、納豆、醤油、味噌加工業者等向けに問う家畜内での増産を予定している、2007年度の生産目標は300トン、2008年度には1000トンを目指し、更に範囲を広げて全国大豆加工業者に向けて販路を拡大予定。  

昨年の収穫 四日市市保々地区
昨年の収穫 四日市市保々地区

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