フードウェイストの抑制と保存性の向上への取り組み

私たちは「食のムダをなくす」ことを重要な社会課題と捉え、独自技術を通じてフードウェイストの削減に取り組んでいます。

UFB(ウルトラファインバブル)とは?

UFB(Ultra Fine Bubble)とは、直径1マイクロメートル未満(1μm以下)の極めて小さな気泡のことを指します。肉眼では見えないほど微細で、水中に長時間安定して存在するという特徴があります。

特徴と効果

  • 長時間水中にとどまる
    ナノサイズの気泡は浮上せずに水中を漂い続け、物質表面に浸透しやすくなります。
  • 高い洗浄力と浸透力
    微細な気泡が食品や素材の微細な凹凸にも入り込み、洗浄や処理の効果を高めます。
  • 酸素や窒素など様々なガスを封入可能
    特定の目的に応じて、酸素・窒素・炭酸ガスなどをUFB化することで、食品の鮮度保持や品質改良に活用できます。

UFBは、持続可能な社会を支える「食×テクノロジー」の鍵となる可能性を秘めています。我々ミナミ産業は独自のUFB発生装置「ミナバブル」を開発し特許を取得しました。この装置を使うと100㎚(ナノメートル)程度の超微細な泡を効率よく発生さえることができます。

UFB発生装置「ミナバブル」
UFB発生装置「ミナバブル」
当社UFB発生装置の粒度解析
当社UFB発生装置の粒度解析

食品分野での活用

当社ではこのUFB技術を食品分野に応用し、以下のような成果を上げています。

豆腐の長期保存技術で流通ロスを削減

従来の豆腐は賞味期限が短く、製造から数日~2週間程度で消費される必要がありました。そのため、流通過程や家庭内での賞味期限切れによる廃棄が発生していました。

私たちはウルトラファインバブル(UFB)技術を活用し、鮮度を保持しながら長期保存可能な豆腐製造技術を開発。これにより、豆腐の流通可能期間を延長し(6か月)、廃棄リスクを大幅に削減することに成功しました。

大豆まるごと豆腐
大豆まるごと豆腐

油脂の酸化抑制技術

食用油分野では、窒素UFB技術を活用し、油の酸化を示す指標であるPOV(過酸化物価)の上昇を抑える技術を開発。

オリーブオイルなどにおいても、開封後のフレッシュ感を長期間維持する保存技術として効果が確認されました。

 UFBによる食用油の酸化抑制効果  EXオリーブ油風味評価

酵素的褐変・黒変の抑制

UFB技術は、食品の変色や劣化防止にも効果を発揮しています。

アボカドなどの酵素的褐変の抑制に成功

アボカドなどの酵素的褐変の抑制

左から①水道水(原水)②脱気水(DO値 0.05 、運転開始15分後)③N2-UFB噴入60分(ガス圧 0.50Mpa) ④:N2UFB噴入60分(ガス圧 1.00Mpa)

生のエビなど甲殻類の黒変(ブラックスポット)防止にも応用

生のエビなど甲殻類の黒変(ブラックスポット)防止
生のエビなど甲殻類の黒変(ブラックスポット)防止
生のエビなど甲殻類の黒変(ブラックスポット)防止

窒素UFB使用した生伊勢海老冷凍事例

その他水産物や果実飲料、野菜など多様な食品への応用研究を企業・研究機関と連携しながらオープンイノベーションで進行中です

このように私たちは、UFB技術を基盤とした食品の保存性向上により、流通段階から家庭まで食品の無駄を減らす「技術による社会貢献」を実現していきます。